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[詩] 逃避


テクストの世界だ

きみのように長くは
きみのように長くは
生きていたくないのだ

そうだ、
テクストの世界だった

目に見えるものにまぎれて、
ひととひとの間で
肩身狭く

きみのように長くは
生きていたくないのだ。

清く正しく美しく
そして健やかに
ぼくは居場所を失いたい

はやく、はやく、
テクストの世界へ

ぼくは、居場所を失いたい。


[詩] メリー・メルト・メロウ!

め、め、め

めい、めい、めい、めい

めいろうな!

きみだけを見て

明朗な!

め、目、目

め、めい、メイク

瞳はかわいく、
愛らしく

め、めい、めいろ

めい、めい、迷宮

きみだけを見て、
きみだけを見てた

ここはどこだかわからない

きみだけを見て

心はとろけて
ひたすらに

め、メ、メロウ

め、メ、メルト

ここはどこだかわからない





[詩] 愛を込めて

うら若きロックスターの死を悼むのだ。
でたらめな歌詞を口ずさんで

うら若きロックスターの死を悼むのだ。
おめでとう、なにが見えただろうか

くだらないこの世のすべてに花束を。
すばらしきロックスターに乾杯。




[詩] 無意志

老いることにした

なんだってわからない、わたしは
なんだってわすれてしまいたいのだ

失うことにした

なんだってわからない、わたしは
なんだってすててしまいたいのだ

わかることにした

なんだってわからない、わたしは
なんだってわかってしまいたいのだ

なんだってわからない、わたしは
なんだってわすれてしまっても
なんだってすててしまっても

なんだって、手放すことはできなかった

[詩]

ひろいあげた
かすかな光を
鈍く、鈍く瞬いた
星の光を
積み重ねて

ひとつ、ひとつ
積み重ねて

ぼくは
ずしり、ずしり、
重くなってゆく。

ひろいあげた
あいまいな気持ちを
鈍く、鈍く疼いた
心の端を
沈み込めて

深く、深く
沈み込めて

ぼくは
ふわり、ふわり、
軽くなった。

ぼくは。

あの日々をまた、
恋と呼べなかった。

[詩] カラフル


まあるいかたちをしていた。

オレンジのように
ころころ、ころがって

りんごのような
まっかな色をして

ひとみのような
澄んだ輝きで

まあるいかたちをしていた。

ころころ、

ころころ、

ころがってきた。

あざやかな、あざやかな
景色が今、
目の前に。


[詩] 満月夜

隠したい秘密も、嘘も
照らしだしてしまうから、いやだ

食べてしまったから
やわらかな光は
いびつにこぼれて

隠したい秘密も、嘘も。
ぼくは心に秘めたまま。

月が照らす夜道をたどって、
きみのもとへと

[詩] カフェイン

愛にそっと混ぜた嘘が
のどにつっかえて
せきこんだ

苦しそうなその嗚咽が
涙をうかべたその顔が
こころを強くふるわせた

ぼくはきみから目が離せない
ぼくはきみから目が離せない

混ぜこんだ嘘が溶けこまない
喉ごしの悪い愛情を
むせかえりながら飲みほした

ぼくはきみから目が離せない
ぼくは、きみから。

[詩] オリオン座


夏の星空に

きらめいた
きらめいた

うそみたいに
ゆめみたいに

星を見上げた
君を見つめた

きらめいた、
きらめいた

星空が、ぶれる。
横顔が、にじむ。

ひらめいた、
ときめいた!

君のとなり

星空は、
夏の星空は

しずかに、しずかに
またたいた

[詩] ゆめうつつ

あかいまぼろしをみた
あの日の空に

おもいだせない
あの日の空に

あかいまぼろしをみた
きみと。

あかいまぼろしをみた
あの日の空に

世界がそのとき
とぎれてしまえばよかった

ぼくと
そして、きみと。

世界から、あのとき
隔絶されてしまいたかった

そして、きみと。

あかいまぼろしをみた